すべての特定保健用食品をご覧いただけます。

同じシリーズなのに『トクホ』マークがあったりなかったり、『特定保健用食品』の謎

トクホマークのついた『特定保健用食品』、それは国が認めた健康の維持や増進に一役買ってくれる食品という事になります。しかし、よく見ると、同じ種類のヨーグルトでも、片やトクホマークあり、片やトクホマークなしというものがあるではありませんか!! これって一体全体どういう事なの?

同じシリーズなのに、片やトクホ、片やトクホじゃないのはなぜ?

スーパーやコンビニの乳製品売り場に行けば必ずと言っていいほどお目に掛かる明治の「ブルガリアヨーグルト」。
味もバラエティーなら容量も形態もバラエティー溢れる商品ラインナップです。そこで、最もオーソドックスなプラスチック容器に入った「明治ブルガリアヨーグルトLB81 プレーン」を手に取ると、ありますあります「トクホマーク」!! さらに、明治ブルガリアヨーグルトLB81 プレーン」のドリンクタイプでも、やっぱりトクホマークは付いています。後、同じく飲むヨーグルトのカルシウム入りタイプ「明治ブルガリアCa飲むヨーグルト」にもです。

あれっ、トクホのはずのヨーグルトに『トクホ』マークがない!

明治のブルガリア飲むヨーグルトは、2009年に間違いなく特定保健用食品の認定を受けています。ですから、『トクホ』マークがあって当然なのですが、鉄分入りやビタミンE入りのドリンクヨーグルトには、そのトクホマークが付いていません。また、2012年に認定を受けているはずのカップ入りタイプでも、脂肪0や低糖タイプにはトクホマークが見当たらないではありませんか!! となると、これらに整腸効果は期待出来ないという事なのでしょうか?

しかし、ブルガリアヨーグルトがトクホ認定を取得している成分は「LB81乳酸菌」という明治が独自に開発した乳酸菌です。当然、全てのブルガリアヨーグルトの主成分。なのに、片やトクホで、片やトクホじゃないというのは不思議です。

ところが、友人の管理栄養士に尋ねてみると、
“それはトクホ認定を受けていないからだよ。”
という当たり前の答えが返って来ました。でも、同じ乳酸菌を使ったシリーズ商品なのに、認定を受けているものと受けていないものがあるなんて事があっていいのでしょうか?

有効成分は同じでも商品が変わればトクホじゃなくなる

そもそも私が今回、トクホに興味を持った理由の一つが、この違い、同じシリーズのヨーグルトなのに、トクホマークのあるものとないものとがあるという点でした。ところがところが、この謎について管理栄養士の友人に聞いてビックリ!

なんと、このトクホ認定、たとえ有効成分は同じであっても、商品が変われば無効になると言うではありませんか!! 当然ですが、脂肪0や鉄分入りとなると、原材料や製法に違いが出ます。それをトクホにするためには、改めて申請し、認定を受けなければならないと言うのです。

ドリンクタイプの飲むヨーグルトになればなおさらの事。さらに、その飲むヨーグルトにカルシウムを入れれば、これまた明らかに別物です。そのため、明治では、「ブルガリア飲むヨーグルトLB81 プレーン」と、カルシウム配合の「ブルガリアCa飲むヨーグルト」、それに、食べるタイプの「ブルガリアヨーグルトLB81 プレーン」の3つの製品をそれぞれ個別に申請し、それぞれ個別にトクホ取得しているのだそうです。

しかし、現在ブルガリアヨーグルトにはこの他、鉄分配合やビタミン配合、そして脂肪0など、30種類近い製品がラインナップされています。これら全てについて認定を受けるのは、いくら大企業でも大変です。そこで、看板商品のみをトクホとし、後はそれに準じるものと認識してもらえればという訳です。

実際、有効成分に大差がない以上、その効果効能には大差ないものと見られます。とは言え、それを明記出来ないのがトクホでない製品の辛いところだと言えるでしょう。

『審査が簡易な『規格基準型特定保健用食品(規格基準型特保)』なんていうのも

なるほど、同じシリーズのヨーグルトでも、トクホとトクホじゃないものがある理由は分かりました。でも、どう考えても、同じ乳酸菌なのに、改めて効果や安全性を臨床実験で実証しなければならないなんて、何だか馬鹿げた話だと思いませんか?

有効成分の実験不要で『トクホ』を名乗れる事もある!

確かに、他の原材料や製法、形状などが変われば様々な点で変化は出るでしょう。でも、それならそれで、その製品化したものの安全性や用量用法のみを検討すればいいんじゃないかと思うんですけどねぇ、どうなんでしょう?

と、我ながらいいところに目を付けたものだと思ったのですが、
“そんなの、もう国はとっくに考えてるよ。”
と、ベテラン管理栄養士が一言。なんと、もうこれまでに十二分に安全性と効果が実証されている成分については、審査不要で『規格基準型特定保健用食品』、通称“規格基準型特保”というトクホを名乗れるというのです。

ただし、摂取容量や用法に対する安全性を確認するための人間様実験は免れません。特に、最大3倍の過剰摂取をした場合に、血圧上昇や不整脈などの人体への影響がないかどうかというような臨床は必要不可欠です。また、指定の成分でなければならず、その使用量や使用方法も細かく規定されています。

とは言え、それでも、成分そのものの動物実験や試験管実験が不要になれば、時間も大幅に短縮出来ますし、何より、費用が極端に抑えられるでしょう。実際、UCCの出しているオリゴ糖入りアイスコーヒーや名糖の出している食物繊維入りレモンティーなどは、この規格基準型特保です。そう、これなら、自社で従来出していた製品にその成分を配合する事によってトクホ化する事が比較的簡単に出来るのです。

規格基準型特保を名乗るには?

ならば、規格基準型特保の指定成分にはどのようなものがあるのかと言うと、複数の企業がトクホを取得していて、すでに100件以上のトクホ製品があって、最初の許可から6年以上健康被害の出ていない成分。そうなると、ブルガリアヨーグルトの乳酸菌などは独自開発で、だからこそ価値が高いのですが、明らかに不利です。6年以上被害がない点は満たせても、他の2つの条件は満たせませんから、結局は改めて一から審査を受けなければならないという訳です。

実は、流石にトクホです。よくよく見ると、殆どが明治のブルガリアヨーグルト状態で、やはりそう簡単に認可が取れないようになっています。今のところ、この方法でトクホを取得するには、食物繊維の「難消化性デキストリン」か「オリゴ糖」を使い、おなかの調子を整える作用を持つ事を訴えるしかないでしょう。先のUCCや名糖産業のようにです。

という事で、以前ご紹介した特定保健用食品(トクホ)許可制にある特定保健用食品許可一覧表(エクセルファイル)を見ると、難消化性デキストリンやオリゴ糖を主成分とした飲食物がやたらめったら目立ちます。そして、その多くが規格基準型特保です。

     [次ページ] > 『特定保健用食品』の条件いろいろ、実は『トクホ』にもいろいろあります