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『特定保健用食品』の条件いろいろ、実は『トクホ』にもいろいろあります

私たち消費者は、特定保健用食品』はどれもみんな同じ。独自の有効成分を持ち、厳しい審査を通過しているものばかりだと思いがちですが、実際にはその限りではありません。先にご紹介した規格基準型のように、トクホにはいくつかの種類があります。

『疾病リスク低減表示特定保健用食品(疾病リスク低減表示トクホ)』なんていうのも

トクホはトクホでも、「規格基準型特保」になると、その認可取得が一気に楽になります。そのため、特定保健用食品(トクホ)許可制にある特定保健用食品許可一覧表(エクセルファイル)を見ても、難消化性デキストリンやオリゴ糖を使った規格基準型の多い事多いこと。ですが、それに負けず劣らずの数を誇っているのが「カルシウム」で、そんなカルシウム配合製品の多くに『疾病リスク低減表示特定保健用食品』という表示が付いています。これもまた、どうやら一般的なトクホ製品とは違うようです。

『疾病リスク低減表示特定保健用食品(疾病リスク低減表示特保)』とは?

以前に学んだように、トクホは食品であって薬ではありません。そのため、元元病気の治療や予防を目的として摂取するものではない訳ですが、カルシウムが不足すれば骨が弱くなり、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)のリスクが高まる事はよく知られた話です。となると、カルシウムの多く含まれた食品を摂取する事は、それを回避するための手段の一つだと言えるでしょう。

そこで、このようにある程度病気の予防がかなりの高確率で出来る事が科学的根拠に基づいて実証されている有効成分を配合した食品については、それを明記してもいいというルールが設けられています。それがトクホの『疾病リスク低減表示』です。

ただし、こちらも先の規格基準型と同様、指定成分や規定量などが細かく定められていて、製品そのものの安全性や用量用法に関する臨床結果等は必要不可欠になります。また、この表示を添付する以上、他の有効成分を謳う事は出来ず、『疾病リスク低減表示特定保健用食品(疾病リスク低減表示特保)』という位置付けでの販売となります。

疾病リスク低減表示特保の有効成分はたった2つ

確かに、骨粗鬆症のリスクを低減するカルシウムや、貧血予防に一役買ってくれる鉄分のように、誰もが知る疾病に対する有効成分を持つ栄養素はあれこれあります。しかし、現在認められている疾病リスク低減表示特保の指定成分は、「カルシウム」と「葉酸」のたった2種類です。

カルシウムは骨粗鬆症の予防に、葉酸は胎児の神経管閉鎖障害(しんけいかんへいさしょうがい)の予防に効果を発揮する成分として使用する事が出来ます。ただし、表示としては、
“骨の健康を保ち、骨粗鬆症のリスクを軽減する食品”
“胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクを軽減する食品”
といったように、「予防」や「防止」という言葉は厳禁。実際問題、確実に病気を防ぐ事など、どんな優秀な薬や食品でも不可能な訳ですから、当然と言えば当然の事でしょう。

そこで、現在市販されている疾病リスク低減表示特保の一つ雪印乳業の粉末乳飲料「カルシウム強化スキム」などは、
“この食品はカルシウムを豊富に含みます。日頃の運動と適切な量のカルシウムを含む健康的な食事は、若い女性が健全な骨の健康を維持し、歳をとってからの骨粗鬆症になるリスクを低減するかもしれません。”
という軽めの文言にしています。

端から条件付きの『条件付き特定保健用食品(条件付き特保)』なんていうのも

流石に『特定保健用食品』、やはり様々な条件があります。そして、その条件によって審査基準が異なり、トクホとしての位置付けも違って来る訳です。中には、端から条件付き特保と表示されているものまであると言うからビックリでしょう。

『条件付き特定保健用食品(条件付き特保)』とは?

中国4000年の歴史が誇る「漢方薬」は、その殆どが明確な科学的根拠を持ちません。それが西洋薬との最大の違いであると言っていいでしょう。とは言え、実際には、沢山の人が恩恵を被り、病気の改善や予防に成功したという実感を持っています。そう、どこかしら、健康食品と似ているのです。

そこで、健康食品にもそういう見解があってもいいじゃないかという事で、2005年から新たに設置されたのが『条件付き特定保健用食品』、通称“条件付き特保”というジャンル。ここでは、対象の成分について、科学的根拠が国の定めるレベルにまでは達してなくても、一定の有効性が明らかに認められるものであれば、その旨を明記する事によってトクホと認めようという柔軟性があります。

例えば、正規のトクホとしての試験は残念ながら滑った物の、実に良質な乳酸菌を使っていて、100人いれば、半分の50人くらいは整腸作用が実感出来るのではないかと思われるヨーグルトが申請された場合、
“本品は特殊な乳酸菌が含有されており、一定基準の科学的根拠は確立されていませんが、おなかの調子を整える効果がある可能性のある食品です。”
と、条件の付いた限定的な科学的根拠であることを明記する事で特定保健用食品として販売する事が許可されるのです。

条件付き特保にはどんなものがあるの?

条件付き特保は、まさしく漢方やサプリメントの感覚に近いと言えるでしょう。ただし、トクホである以上、まずは腸内環境を整えたいとか、骨を丈夫にしたいとか、中性脂肪を減らしたいといった特定の保健目的に特化した食品でなければなりません。ちなみに、条件付き特保第1号は、日本サプリメントがリリースした今は亡き豆鼓エキス配合の中性脂肪が高めの人のためのサプリ「TGバランスつぶタイプ」でした。

しかし、この条件付き特保は、何しろ効果があるかもの世界ですから、やはり審査が複雑で、正規のトクホ以上に難しい事は容易に想像出来ます。実際、施行から10年以上たった今でも、この条件付き特定保健用食品として認可されたのは2点だけ。さらに、販売されているのは、山本漢方製薬の「大麦若葉粉末」だけです。この製品は、良質の食物繊維を含む大麦若葉を主成分とした粉末飲料で、パッケージには、
“大麦若葉由来の食物繊維を含んでおり、根拠は必ずしも確立されていませんが、お腹の調子を穏やかに保ちたい方やお通じの気になる方に適している可能性がある食品です。”
と表記されています。

【参考】特定保健用食品 – 消費者庁(PDFファイルが開きます)

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