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『特定保健用食品』の安全性の担保はどうなってるの? 『トクホ』の取り消しや再許可はあるの?

確かに『特定保健用食品』の認可を受けるには、厳しい審査を突破しなければならない訳で、それなりに信頼出来る食品だと見ていいでしょう。とは言え、その信頼がいつまで担保されるのかが問題です。実際、トクホの一覧には、「再許可等特保」などという怪しげな表示もありますし、トクホの再チェックや取り消しなどがあるのかないのかも気になるところではないでしょうか?

『再許可等特定保健用食品(再許可等特保)』なんていうのも

規格基準型特保・疾病リスク低減表示特保・条件付き特保は、いずれも2005年に設立されました。そのため、苦労して許可を取得した従来の特定保健用食品は『個別許可型特定保健用食品(個別許可型特保)』となり、そこに規格基準型・疾病リスク低減表示・条件付きを加えた4種類の食品の総称が特定保健用食品という形です。

ところが、特定保健用食品(トクホ)許可制にある特定保健用食品許可一覧表(エクセルファイル)を見ていると、『再許可等特保』という表示があるではありませんか!! しかも、これが結構多い。この再許可等特保とは、一体全体どのようなトクホ製品なのでしょうか?

『再許可等特定保健用食品(再許可等特保)』とは?

以前にご説明した通り、基本的にトクホは個別許可型で、たとえシリーズ品であっても、味や形状が違えばトクホを名乗る事は出来ません。何故なら、原材料や製法が違って来るからです。

ただ、全く同じ製品で商品名だけが変わる場合は話は別です。それをまた一から審査するというほど馬鹿馬鹿しい事はないでしょう。そこで、その場合は、特別な審査なしに、新しい商品名でトクホを取得出来るというルールがあります。それが『再許可等特定保健用食品』、通称“再許可等特保”です。勿論、商品パッケージには、こんな大人の事情を記載する必要はなく、従来通り堂々と『トクホ』や『特保』と謳えます。

また、申請している会社の社名が変わった場合も同様です。例えば、特保ガムの「リカルデント」を発売している「モンデリーズ」は、当初「キャドバリー」という社名でしたから、トクホ許可を持っているのは、このキャドバリー」だった訳です。しかし、2013年に社名変更され、以後、モンデリーズのパッケージでリカルデントを販売する事になりました。そこで、再許可等特保になったという訳です。

さらに、この再許可等特保、全く同じ成分でフレーバーだけを変更する場合にも利用する事が出来ます。そこで、ヤクルトが出す人気の飲むヨーグルト「ジョア」では、マンゴー味やゆず味など、期間限定のフレーバーをリリースする度、再挙か等トクホを取得しているのです。

ただ、以前のブルガリアヨーグルトの場合、トクホを取得している製品には他のフレーバーはなく、脂肪0や鉄分配合など、成分や製法が変わるものばかりですから、これも利用出来ないという訳です。

トクホに更新の必要性や取り消しはあるの?

再許可等特保は、一度取得した許可を取り消され、改めて申請されたというような怪しげな商品ではありません。何しろ、トクホが取り消されること自体、ないに等しい事なのです。それを聞いて、
“えっ、それこそ危ないじゃん!!”
と思わず突っ込んでしまった私に管理栄養士の友人は、
“それが現実だから恐ろしい!”
と含み笑いしていました。

トクホに更新システムはない!

トクホと一口に言っても、実際には条件の異なる4つの種類がある訳ですが、いずれにせよ、取得するには一苦労でしょう。ただ、一度取ると更新する必要がないという大きなメリットがあると彼は言います。そして、更新の必要がなければ、取り消される心配もない訳で、正に取ったもの勝ちなのだそうです。

でも、国家が認める健康食品たるもの、そんな甘い事でいいのでしょうか? もし、本当に取ったもの勝ちというような世界なら、人気が出たところで品質を落とし、利益をとことん追求する事だって出来る訳じゃないですか? その結果、私たち消費者は、健康効果0に近いものを高いお金を出して買わされることにもなりかねません。そこはやはり、定期的に品質管理をするくらいの事は最低限やっていただきたいものですよねぇ!?

許可を取るのは大変だけど、取ってしまえば楽ちん

国が食品の三次機能に関する研究の結果をもとにトクホ制度の設置を検討し、実施に至った1987年から1991年と言えば、日本は正しくバブル期のまっただ中。誰もが裕福で、今のような世知辛い世の中ではありませんでしたから、何かにつけて甘かったのでしょう。一見、実に素晴らしい日本のトクホ制度なのですが、よく見ると、かなり隙間だらけ。特に、許可を取るのは大変だけど、取ってしまえば後は楽ちんという部分は否めません。

確かに、書面上は、安全性や有効性に関する新たな知見が出た場合には30日以内に届け出する事という規定は設けられています。とは言え、義務とはなっていないのです。さらに、新たな知見が出た時ですから、故意かどうかは別として、気が付かなければそれまでです。

事実、多数のトクホを取得している大手サプリメント会社は、そのうちのいくつかの製品の関与成分が基準値を満たしていない事、さらに、全く入っていないことに気付いていましたが、2年間も素知らぬ顔で販売していました。最終的には業者側から自首し、それは悪質だと、トクホの監督庁である消費者庁は激怒!! たちまちトクホ取り消しとなり、後に許可条件を満たしていない商品をトクホとして販売したのは「景品表示法」の優良誤認にあたるとして、5,000万円を超える課徴金納付命令を出しています。

【参考】特定保健用食品の許可取消しについて – 消費者庁(PDFファイルが開きます)

ちなみに景品表示法とは、正式には「不当景品類及び不当表示防止法」という法律で、消費者を強引に引きつけたり、故意に惑わすような商品やサービスの品質・内容・価格等の表示を規制するものです。本体よりおまけの方がはるかに高価だというような景品をむやみやたらと付けたりする事も制限しています。そして、たとえトクホの認可は受けていても、実際にはそれに見合う内容を持たない品をトクホとするのは、これに違法しているという訳です。

【参考】景品表示法 – 消費者庁

これからは『トクホ』取り消しもあるかも!?

先の日本初のトクホ取り消しが確定したのは2016年で、比較的最近の話題ですから、そう言えばと思い出された方も多い事でしょう。ですが、この時、一度許可を出した製品には無関心という消費者庁が激怒出来る筋合いなどないという見解を出す専門化も少なくありませんでした。

という事で、この騒動をきっかけに、消費者庁はようやく重たい腰を上げたのです。施行から四半世紀以上もたって今さらながらという気がしないでもありませんが、これからは、第三者機関で許可を取得した時と同等の試験を行い、そこで出た関与成分の分析結果を1年に一度報告する事が義務付けられるのだとか・・・。また、安全性と有効性だけでなく、相互作用や品質麺での新たな知見が出た場合にも報告が必要になるそうです。

さらに、抜き打ち検査もするというから面白い。なんでも、消費者庁が定期的に無作為に選んだトクホ製品を自腹で購入。その市販品を第三者機関で分析してもらい、結果を一般にも公表するとともに、気になる場合には再検査も検討すると言います。これにより、ようやく私たち消費者は、本当に信頼出来るトクホに出会えるのではないでしょうか?

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