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『機能性表示食品』ってなあに? 『トクホ』と、どこが、どう違うの?

『トクホ』が分かって、『栄養機能食品』が分かりました。後は『機能性表示食品』さえ知れば、健康食品とは何者かという謎は解明出来そうです。ところが、出た結論は意外にも、健康食品はないというものでした。そのくせ、「認定健康食品」なるものがあると講師の管理栄養士は話します。

「機能性表示食品」とは?

1991年にトクホが制定され、その10年後の2001年に栄養機能食品が制定された事により、日本の健康食品は随分明確化されました。とは言え、トクホの取得は困難で、栄養機能食品として販売出来るのは、指定の栄養成分を一定量含有しているものだけです。特に後者は、主にビタミン剤かミネラル剤になってしまう部分は否めません。

ですが、それ以外にも、私たち人間の体に恩恵をもたらせてくれる成分は多数あります。例えば食物繊維豊富なグリーンスムージーなどは、乳酸菌や規定量のビタミンは入っていなくても、便秘解消に一役買ってくれる可能性はあるでしょう。さらに、脂肪の吸収を抑える作用も期待出来ます。ならば、そこだけは大々的にアピールしてもいいんじゃない!? という事で、そうした特定の機能だけを認め、表示を許す事にしたのが『機能性表示食品』です。2015年に設置されました。

『機能性表示食品』とトクホや栄養機能食品との違いは?

『機能性表示食品』は、条件付き特定保健用食品に若干似ているところがあるかも知れません。良質な乳酸菌配合なら、腸内環境を整えるとか、コラーゲン配合なら、肌の保湿を保つとかといったように、具体的な部位を示し、そこに対する効果効能を表示出来ます。つまり、その食品の持つ機能性を堂々とアピール出来る訳です。

しかも、栄養機能食品とは異なり、発売の60日前までに消費者庁長官に、
・食品関連事業者に関する基本情報
・安全性の根拠に関する情報
・機能性の根拠に関する情報
・生産・製造及び品質の管理に関する情報
・健康被害の情報収集体制
が、きちんと届け出されています。即ち、発売元が安全性や科学的根拠に基づき、責任を持って販売する事で国が認めた食品という事になるでしょう。

ところが、これらの届け出に際し、トクホの場合は自らの実験データが必要不可欠となります。たとえ規格基準型や条件付き特保であっても、最低限の実験をし、審査を受けなければならない訳ですが、機能性表示食品においては、わざわざ自分たちで実験する必要がないのです。科学的根拠を示す既存の論文や文献があれば、それを使って新制する事が出来ます。

その代わりに、トクホのように、
「腸内環境を整えます。」
「肌の水分を保ちます。」
などと断言する事は出来ません。

そこで、
「腸内環境を整える事が報告されています。」
「肌の水分を保つ事が報告されています。」
というように、あくまでも過去の実験データに基づく機能性である事を明記するのがお約束です。

ですが、届け出無用の栄養機能食品よりは、その正体は確かで、消費者庁の出す機能性表示食品というのもあります。また、気になる食品の詳細情報を機能性表示食品の届出情報検索で調べる事も可能です。

『機能性表示食品』の表示は結構うるさい

健康食品に関する規制の経緯としては、トクホの次に作られたのが栄養機能食品です。しかし、内容的には、トクホに続くのが機能性表示食品、そして、その後に付くのが栄養機能食品だと言っていいでしょう。そのため、栄養機能食品に義務付けられている表示事項は14項目でしたが、機能性表示食品には、

  1. 機能性表示食品である旨
  2. 科学的根拠を有する機能性関与成分及び当該成分又は当該成分を含有する食品が有する機能性
  3. 栄養成分の量及び熱量
  4. 一日あたりの摂取目安量あたりの機能性関与成分の含有量
  5. 一日あたりの摂取目安量
  6. 届出番号
  7. 加工食品の場合は食品関連事業者の連絡先・生鮮食品の場合は食品関連事業者の氏名又は名称、住所及び連絡先
  8. 機能性及び安全性について国による評価を受けたものではない旨
  9. 摂取の方法
  10. 摂取をする上での注意事項
  11. バランスのとれた食生活の普及啓発を図る文言
  12. 調理又は保存の方法に関し特に注意を必要とするものにあっては当該注意事項
  13. 疾病の診断、治療、予防を目的としたものではない旨
  14. 加工食品の場合は、疾病に罹患している者、未成年者、妊娠を計画している人を含む妊産婦及び授乳婦に対し訴求したものではない旨
  15. 疾病に罹患している者は医師、医薬品を服用している者は医師または薬剤師に相談した上で摂取すべき旨
  16. 体調に異変を感じた際は速やかに摂取を中止し医師に相談すべき旨
  17. 生鮮食品の場合は保存の方法

と、17項目もあります。その規定は結構うるさいのです。

【参考】
「機能性表示食品」って何? – 消費者庁(PDFファイルが開きます)

日本に健康食品はありません

我が国の健康食品について、国を上げて考えられるようになって30年、今では口に入るものは薬か食品か。そして、食品は、一般食品か、特定保健用食品か、栄養機能食品か、機能性表示食品かという事になる訳です。ちなみに、一般食品以外の3つは総称して『保健機能食品』と呼ばれていて、多少なりとも健康食品としての要素を持っていると見ていいでしょう。

ただし、よく耳にする「健康食品」や「栄養補助食品」、「機能性食品」というジャンルの食品は存在しません。サプリメントの和訳が栄養補助食品だという見方もありますが、これもアバウトな話。トクホマークや栄養機能食品、あるいは、機能性表示食品の表示のないものは、全て一般食品です。

健康食品はありませんが、『認定健康食品』ならあります

そう、日本には「健康食品」なる食品はないのです。ただし、『認定健康食品』というのは存在します

この認定健康食品というのは、健康食品のあり方が問題視されるようになった1980年代、いち早く何らかの対処をするために国が売って出た苦肉の策の一つだとも言えるでしょう。本格的な研究調査が行われていたさなかの1985年、当時の厚生省は「財団法人 日本健康・食品協会」の設置を許可。そこで、厚生省の始動による健康食品の規格基準を設定し、それに基づく認定制度を開始したのです。そして、合格した商品は、「認定健康食品」として、「JHFA」マークが添付出来る事となりました

この認定は、30年以上たった今でも健在です。医学界や栄養学界の専門家で構成された「認定健康食品認定審査会」によって、日々どんどん世に出て来る健康食品が検査されています。その内容も、時代の流れとともに見直され、徐々に厳しくなって、今では規格成分は勿論、細菌の有無とその分析まで行われていますから、脱落する商品も少なくありません。だからと言って、販売出来ない訳ではありませんし、この審査を受ける義務自体がないのが現状です。けれど、JHFAマークがあるかないかというのは、健康食品を選ぶ上での一つの目安になる事は間違いないでしょう。

現在、JHFAマークの添付されている健康食品は→認定健康食品一覧表(PDFファイルが開きます)
どこかで見た事あるような、聞いた事あるような商品がズラリとラインナップされています。今、自分が飲んでいるサプリメントが入っていれば、思わずほっとするのではないでしょうか? そう、健康食品は安心して摂取出来るものでなければ、意味がありません。そして、トクホであるとかないとかというより、まずは適正に選び、適正に飲食する事が何より大切。加えて、決して過度な期待を抱かない事も大事でしょう。

最後に

そもそも、大半の食品は一般食品。さらに、栄養機能食品も、機能性表示食品も、健康補助食品も、所詮は一般食品と同じ食品衛生法で管理されている飲食物なのです。そういう意味では、やはり真の健康食品と言えるのは、健康増進法の許可のもとで世に出されるトクホだけで、トクホマークを付けた大根やマグロにお目にかからないのも納得です。ただ、肉や魚や野菜が持つ効果効能は、私たち人間が生命維持に必要とする一次機能。これがあってこそ、二次機能による食べる楽しさを得られ、それらがあるからこそ、三次機能による健康維持や増進が期待出来るという事を忘れてはならないでしょう。
“そうそう。俺の飲み代も忘れるなよ!”
と、講師を務めてくれた管理栄養士の友人が笑っていました。

【参考】
公益財団法人 日本健康・栄養食品協会:健康補助食品とは

○今回の講師
田中正広(53歳)
メジャーリーガーではありません。大阪市内の某総合病院で管理栄養士をしています。
高校卒業後、出身地の京都で中規模のアパレル会社に就職。配送部に配属され、近畿一円を走り回っていましたが、4年後に倒産。今度は潰れないところに就職したいと思い、求人誌を見ていたところ、大学病院の調理補助の仕事を発見。ここなら失業する事はないだろうと応募しました。運良く採用されたものの、職場は怖いお姉さんばっかり。日々煽られ、とうとう専門学校に通って栄養士の資格を取る羽目になりました。でも、お陰で今があるので、感謝しています。
自宅は今も京都市内。思えば、トクホが施行された頃からずっと恋人募集中です。

<ライター:健康通(けんこうどおり)>

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