昔は明日葉に多量のゲルマニウムが含まれていると言われていましたが、最近では、実はほとんど含まれていないことがわかってきました。
ゲルマニウムには無機と有機があります。
無機ゲルマニウムは工業用として電気製品に利用されており、人体に健康効果をもたらすといわれるのは有機ゲルマニウムです。
しかしこの有機ゲルマニウムは、一般の食用植物にはあまり含まれていません。
人工的に合成できなくもないけれど…
有機ゲルマニウムは人工的に合成することもできますが、人工のものは体内に入ってゲルマニウムを放出したあとで不安定になり、カルシウムやリンと結合して体外に排出されてしまいます。このため、有機合成ゲルマニウムを使用するときは、同時にカルシウムやその他のミネラルなどを補給する必要が出てきます。
ゲルマニウムに期待できる効果・効能
血液浄化
血液が酸化するとさまざまな病気の原因になりますが、ゲルマニウムは酸性に傾いた血液中の分子と結びつき、短時間で体外に排出する働きを持つといわれています。そのため、血液を浄化する効果が期待できます。
血管強化・血圧正常化
ゲルマニウムには、血管に付着することで血管を狭めて血圧を上げる原因となる悪玉コレステロールを溶かして排出する作用があるといわれています。
また、血管が弾力をなくしてもろくなる動脈硬化にも有効といわれるため、血圧に関する病気の予防や改善に役立つと考えられています。
がん抑制
人間が持っている本来の免疫作用を強くして病気を治す方法を免疫療法といいます。
免疫療法の主体となるインターフェロンは制がん剤として有効性が認められています。このインターフェロンは人間の体内で生成されるもので、つまり誰でも体内で制がん効果があるとされるインターフェロンを作り出すことができるわけです。しかし、誘発する物質の命令がないとインターフェロンは生産されません。
そこで、インターフェロンを誘発する効果があるといわれる有機ゲルマニウムを服用すると、制がん効果が期待できるのです。
明日葉のゲルマニウム豊富説はウソ!?
八丈島産の明日葉には多量のゲルマニウムが含まれているといわれてきましたが、最近になって、実はほとんど含まれていないことがわかってきました。
植物は元来地中にある成分を根から吸収して蓄えますが、ゲルマニウムもそのように吸収される物質のひとつです。つまり、土中にゲルマニウムがなければ明日葉に限らずどんな植物でも含むことができません。
このことから、ある程度の濃度のゲルマニウムが存在している土壌で育った明日葉でない限り、ゲルマニウムが含まれることはないということがわかったのです。
血液の浄化をはじめ血管の強化、血圧の正常化、さらにはがんの抑制などさまざまな効果が期待できるゲルマニウムが豊富に含まれている明日葉はなんてすごいんだ!…と思っていたのに、実はその含有量が育った土壌によるものだったなんてちょっとがっかりですね。
しかし、これだけの理由で明日葉の評価が落ちることはないはずです。ゲルマニウムだけが効果の中心というわけではないですし、明日葉にはそれを補って余りあるほどの優れた成分がたくさん含まれていますから。