はちみつ

はちみつ処方箋 〜 なぜはちみつが薬になるのか?

はちみつは、日本薬局方の第3類医薬品として販売されていることを知っていましたか?
日本薬局方 ハチミツ(500g) ¥1,500

効能・効果
栄養剤、甘味剤、口唇の亀裂・あれ

用法・用量
栄養剤、甘味剤として、そのまま又は適宜うすめて用いる。
口唇の亀裂・あれには、そのまま患部に塗る。

成分・分量
1g中 日局ハチミツ1g含有

日本薬局方 ハチミツ 50g

しかし、はちみつに薬効を期待するなら、ひとつ注意点があります。それは、天然の純粋はちみつに限るということです。
加糖はちみつ(蜂蜜60%程度のブレンド品)や、はちみつシロップ(蜂蜜20%程度のブレンド品)、高温で加熱処理されたはちみつ製品では、効果は期待できません。

なぜ、はちみつが「薬」になるのか?

はちみつの効能・効果のひとつめに「栄養剤、甘味剤」とあります。はちみつの甘さは、体に吸収しやすい単糖のブドウ糖と果糖で、効率よくエネルギーになるのです。更に、ビタミンやミネラル、アミノ酸、有機酸、酵素などが同時に摂取できます。
はちみつが天然のビタミン剤と言われるのは、ビタミンC・B1・B2・B6・K・葉酸・ニコチン酸・パントテン酸・ビオチン・コリンなどが、少量でも体によく効く活性型のビタミンとして配合されているからです。(サプリメント等で摂取できるビタミンは非活性型です。)

はちみつの効能・効果のふたつめに「口唇の亀裂・あれ」とあります。そのまま患部に塗ると、はちみつの抗菌・殺菌作用により、治癒効果を得ることができるのです。はちみつの強力な殺菌パワーの理由は、高濃度の糖分が細菌内部の水分を減らして増殖を抑えることや、はちみつに含まれる過酸化水素が強い殺菌力を発揮するからです。

はちみつ療法の歴史は古く、紀元前千七百年頃の「ファラオの秘薬」や古代エジプトの「パピルス」、インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」、中国の薬学書「本草綱目」、他にもマヤ文明や古代ギリシャ・ローマなどの医学書の中で、はちみつの処方箋が記されています。まるで万能薬のように、軟膏やしっぷ薬、飲み薬、目薬、歯茎ケア、整腸・下剤など、内用にも外用にも、はちみつが使われているのです。

「はちみつの歴史は人類の歴史」ということわざがありますが、現在医学においてもはちみつの薬効が改めて注目され、抗菌・殺菌作用、傷を治す作用、炎症を抑える作用などがあるという研究結果が報告されています。

栄養補給と疲労回復

はちみつは、約80%が糖分で、約20%が水分、その他には天然のビタミン類・ミネラル類・アミノ酸・有機酸・酵素などの有効成分から成り立っています。はちみつに含まれる糖分は、単糖類のブドウ糖と果糖です。単糖とは、それ以上分解する必要がない糖類のことで、そのまま体に吸収されます。速攻エネルギー効果が得られ、疲れた脳と体の回復にも役立ちます。

胃腸への負担もないため、体の弱っている人や高齢者、病中・病後の栄養補給にもぴったりです。天然の活性ビタミンや、カルシウム・鉄などのミネラルも摂取できるので、栄養剤として申し分のない自然食品です。

なおカロリーは、はちみつ294kcalで砂糖384kcalなので(100g中/七訂 日本食品標準成分表より)、はちみつは砂糖の約76%のカロリーです。また、はちみつの甘さは砂糖の約1.5倍なので、同じ甘さで比較するとはちみつは砂糖の約60%ほどのカロリーといえます。はちみつの効能・効果にあるように、甘味剤としても上手に使いたいですね。

口内炎などの炎症を抑える

はちみつの殺菌効果は、口の中でも大いに役立ちます。口内炎には、はちみつを患部にそのまま塗りましょう。喉の痛みやイガイガには、はちみつ水でのうがいも効果的です。コップ1杯の水にスプーンひとさじのハチミツを入れるだけではちみつ水になりますが、美味しいのでそのまま飲んでしまいそうですね。

はちみつ大根は手作りの咳止めシロップとして有名なレシピですが、のどの炎症を抑えるはちみつの薬効からすれば、理にかなっている処方です。

傷と皮膚の治癒

やけどやすり傷にもはちみつが効きます。日本の医療現場でも、手術後の傷口にはちみつを塗る病院があるそうです。傷んだ肌や粘膜を修復する作用は、はちみつの薬効の中でも特に注目されている分野のひとつです。

ちょっとしたすり傷や切り傷を負ったり、軽いやけどをしたときには、はちみつを患部に塗ることで応急処置ができることを知っておくと便利です。その上からガーゼを当てて傷テープで止めたり、包帯を巻いたり、絆創膏を貼るなどすれば、はちみつが傷の治りを早め、傷跡が残りにくくなります。

しもやけや床ずれ、湿疹などにも有効です。水疱ができたらはちみつをつけて絆創膏を貼れば、かゆみが止まってはやく治ります。

目や歯のくすり

はちみつは、目の薬です。
見て楽しむという話ではありません。目に入れるんです。主成分がはちみつというアーユルベーダの目薬が、実際に市販されています。ポロポロと涙を流すほど痛いそうですが、それがまた目に良いのだとか。。。目の老化現象や充血・疲れ目にも、白内障・角膜炎・結膜炎の治療にも、はちみつです。
古代アメリカ先住民のマヤ文明で、古代エジプトで、インドのアーユルベーダで、そして現代でもベネズエラやメキシコやブラジルで、白内障の治療にはちみつが使われているそうです。
さぁ、あなたも、はちみつを目の中に入れてみましょう。そのまま点眼してもよいし、50%程度まで水で薄めてもよいです。そのまま点眼の場合は、綿棒などではちみつを下まぶたにのせてから、目をぱちぱちして全体になじませましょう。

はちみつは、歯の薬です。
甘くても、はちみつは虫歯になりません。虫歯を作るミュータンス菌の好物はショ糖で、はちみつのブドウ糖や果糖ではないからです。それだけではありません。はちみつは虫歯を退治します。はちみつの抗菌作用は、ミュータンス菌の活動を抑えてしまうのです。また、歯槽膿漏を予防し、口臭を防ぎます。はちみつ入りの歯みがき剤も、もちろん市販されてします。
さぁ、あなたも、はちみつで歯をみがきましょう。はちみつ水でうがいをしましょう。

私もはちみつ大好き人間ですが、この2つ(目と歯)は試せてません。。。興味のある人は、
ひとさじのはちみつ 〜 自然がくれた家庭医薬品の知恵(前田 京子)
をお読みいただければと思います。

Amazonネットショップでは、マヌカハニーとプロポリスの歯磨き粉が販売されており、カスタマーレビューが高評価です。
プロポリス&マヌカハニーMGO400+歯磨き
マヌカハニーの飛び抜けた抗菌作用は、口内殺菌・歯肉炎改善など口腔環境を整える効果が高いため、口内炎で悩んでいる方がよく利用されているようです。

美容とアンチエイジング

はちみつクレンジング、はちみつパック、はちみつトリートメント、はちみつリップ、はちみつ風呂など、はちみつを美容やスキンケアに役立てる方法は、たくさん紹介されています。
はちみつ美肌メソッド(一般社団法人日本はちみつマイスター協会)
はちみつ姉妹が教える はちみつ美容レシピ

とろーりとしたはちみつの保湿力は抜群で、食べられるほど安全で自然な素材というのも人気の理由でしょう。さらに、はちみつの抗菌効果や抗酸化作用が働くので、肌の老化、にきび予防、そばかす・シミ・シワなど、肌トラブルにも効果抜群です。紫外線のケアや日焼けの手入れなどもサポートしてくれます。

肌の美容を保つには、潤いが一番のポイント。はちみつのスーパー保湿効果が、肌の潤いを守ってくれます。

整腸作用で便秘・下痢解消

はちみつの強い殺菌力は、腸内の悪玉菌を退治してくれます。また、はちみつに含まれるグルコン酸は、腸内のビフィズス菌(善玉菌)を増やしてくれます。このような作用から、腸全体の働きを整えてくれます。

はちみつが便秘に効くことは、古代エジプトの時代から知られており、胃腸薬として飲んだり、座薬として使用されていました。そして面白いことに、はちみつは下痢にも効きます。悪玉菌を減らして善玉菌を増やし、腸の働きを正常化させるのがはちみつの作用ですから、それは腸内フローラ(腸内細菌叢)のバランスを改善することに繋がり、便秘も下痢も解消し、腸の老化も防いでくれるのです。

抗菌・殺菌作用

はちみつパワーの秘密は、その殺菌力にあると言っても過言ではないでしょう。その相手が、インフルエンザウイルスなら風邪を予防し、ミュータンス菌なら虫歯を予防し、アクネ菌ならにきびを治し、悪玉菌なら腸を正常化するという具合です。

はちみつの強力な殺菌作用は、高濃度糖分過酸化水素によるものです。
そして、さらに特別な殺菌パワーを持つはちみつが世界の注目を集めています。その代表格が、医療用はちみつ(メディカルハニー)として最も有名なマヌカハニーです。マヌカハニーには、他のはちみつにはないメチルグリオキサール(MGO)という独特な抗菌成分があり、その治癒力が非常に高いとして医療機関からひっぱりだこです。

日本でもインターネットでマヌカハニーが購入できるようになると、瞬く間に売れ筋No.1のはちみつとなりました。
Amazonランキング売れ筋No.1のマヌカハニー

ピロリ菌を退治して潰瘍を治癒し、胃がんを予防するために、夜寝る前のひとさじのマヌカハニーを実践している人も多いようです。

はちみつの種類と選び方

世界には約4,000種、日本には600種類以上の蜜源植物があります。蜜源によって、味・香・色もさまざまで、含まれる成分にも多少の違いがあります。

はちみつの見分け方の基本は、「固さ」と「色」です。
固さ(なめらかさ)は結晶の状態のことで、果糖とぶどう糖の割合で決まります。果糖が多ければ多いほど、とろーりとしていて固まりにくいはちみつになります。逆にぶどう糖が多いと、固まりやすいはちみつになります。
色が濃いはちみつは、ミネラルの量が豊富なはちみつです。栄養効果が高くなりますが、味や香りに独特の風味を持つことも多くなります。淡い色のはちみつは、上品でクセのないまろやかな味わいが特徴です。

代表的な20種類のはちみつを紹介します。

マヌカ 医療用はちみつの雄。胃の健康に抜群の効果があります。マヌカ特有のMGOは強い抗菌成分で、ピロリ菌を抑えると言われています。治癒効果を高めるには、寝る前にスプーンひとさじをそのまま食すのがおすすめです。
アカシア 日本で人気が高いはちみつで、ソフトで上品な味わい。果糖が多くとろーりとしていて固まりにくいため、歯みがきやスキンケアにも使いやすいはちみつです。寒くても結晶しないので、冬場はアカシアが良いでしょう。
レンゲ 日本人に好まれるはちみつの王様。やさしい味と香りで、舌ざわりもまろやかです。クセがないので、どんな料理にも良く合います。きれいに澄んだ淡い色は見た目にも美しく、日本の定番はちみつといえます。
クローバー アメリカやカナダ、ニュージーランドで人気のはちみつです。上品な香りで、色は淡く、味はクセがなくあっさりとしています。日本の蜜源では北海道が有名で、寒い地方を代表するはちみつです。
百花蜜 何種類の花の蜜が混ざったはちみつのため、色・香・味は商品によって色々です。場所や季節によって、森のはちみつ、山のはちみつ、春の花々のはちみつ、のような名称がつけられることもあります。
菜の花 菜の花はナタネ、アブラナなどとも呼ばれ、独特の風味があります。ブドウ糖が多いので固まりやすく、なめらかでクリーミーなはちみつです。濃厚なコクがあり、好きな人はハマってしまう味です。
みかん みかん特有の香りと風味があり、フルーティーな味わいのはちみつです。色も少しオレンジっぽい感じで、さわやかな酸味があります。紅茶に入れると美味しいはちみつです。
トチ 香りが個性的なはちみつです。この香りが好きな人もたくさんいます。色も濃いめですが、味はクセがなくマイルドです。ブドウ糖よりも果糖のほうが多く、固まりにくいはちみつです。
シナノキ 別名、菩提樹。海外ではリンデンと呼ばれ、ヨーロッパで人気のはちみつです。トチと同じ山のはちみつで、強い香りがあります。味も個性的で、クセが強い濃厚な味わいと独特の香りは、好みが分かれます。
ソバ 黒い色をしたはちみつで、味も香りも非常に個性的でクセがあります。独特の香りに、甘みとともに苦味もあります。鉄分などミネラルが豊富に含まれて栄養は満点。咳止めに良いとされているはちみつです。
クリ ソバ同様にクセのあるはちみつで、クリ特有の渋みと、強い臭いがあります。色もクリのような茶色をしています。鉄分やカルシウムなどのミネラルが豊富で、滋養効果の高いハチミツとされています。
リンゴ リンゴの香りがふわっとして、さわやかな酸味とやさしい甘さのはちみつです。色は濃い目の黄色です。クセはなく、食べ慣れたりんご風味のフルーティーな味わいを楽しめます。
ヒマワリ 鮮やかな黄色のはちみつです。この黄色は花粉が多いからとされています。酸味と甘味のバランスがよく、すっきりと食べやすい味です。ブドウ糖が多く、クリーミーで固まりやすいはちみつです。
クロガネモチ 「苦労せずに金持ちになれる」木から採れる縁起のよいはちみつ。淡黄色で、ほのかな香りとすっきりした上品な甘みは、レンゲはちみつの味に似ていて、日本人好みです。
レモン ほんのりとレモンの香りがひろがる爽やかな酸味のはちみつです。あっさりとした甘さで食べやすく、フルーティ。ビタミンCたっぷりのハチミツレモン作りにおすすめです。
ラベンダー 琥珀色をしたはちみつで、ラベンダー特有の香りがあります。しっかりとした甘みがありながら、後味はさっぱりとしています。ハーブのフローラルな香りは、フランスで人気のはちみつです。
ローズマリー 柔らかで清涼感のあるハーブの香りと、サラッとした口当たりが特徴のはちみつです。色は濃いですが、味にはクセがなく、まろやかで上品な甘みの食べやすいはちみつです。
タイム ハーブはちみつの代表格です。栄養豊富なキャラメル色で、深い甘みの中にかすかな酸味があります。タイムの花粉たっぷりのはちみつは抗酸化作用に優れ、薬効が高いはちみつです。
ユーカリ 殺菌・抗炎症作用が高いとされるユーカリのはちみつ。結晶化していて濃厚な味わいですが、甘さは控えめです。黄褐色でミネラルを豊富に含んでおり、栄養価の高さも人気です。
甘露蜜 「森の蜜」と呼ばれ、モミ・松・樫の木などの樹液を吸い取った昆虫が分泌する甘い液をミツバチが集めたはちみつです。色は褐色でミネラルと酵素が豊富。味は濃厚で、程よい酸味があります。

その他
オレンジはちみつ

はちみつの徹底活用法

はちみつの特徴である「高い栄養価」と「殺菌・抗炎症作用」を上手に取り入れることがポイントです。内用(食べる)にも外用(患部に塗る)にも使えます。

おやすみはちみつ
はちみつの薬効を最大限取り入れたいなら、はちみつを摂り方に注意しましょう。

  1. そのまま食べる
  2. 空腹時に食べる
  3. 食べたあと30分は他に何も食べない

はちみつの殺菌力は、高濃度糖分の高い浸透圧と、グルコースオキシダーゼから発生する過酸化水素によるものですが、はちみつを薄めたり熱したりすると効果も薄まってしまいます。

生はちみつを、高濃度のまま、何も入っていない胃の中に流しこむのがポイントです。その後は、はちみつが体内でしっかりと働く時間を存分に与えることです。

睡眠中は、上記の3条件を満たしているばかりでなく、からだを休めてさまざまな機能を回復するための時間です。自然の治癒力にはちみつの治癒力がプラスされて相乗効果を期待できるゴールデンタイムが、寝る前のはちみつなのです。
はちみつが胃の全体に届くように、ゴロゴロと寝返りを打ちながら、はちみつの持つリラックス効果で安眠を迎え入れましょう。

はちみつ療法は、ひとさじのはちみつを寝る前に摂るだけ。

抑えの切り札には、マヌカハニーやユーカリ、タイムなど薬効の高いはちみつを選びたいところです。虫歯にならないので、歯磨き後でも大丈夫。余計なことは一切せず、シンプルで簡単な処方にするのが、続けるコツです。

おはようはちみつ
はちみつの栄養パワーを最大限に発揮させたいなら、朝のひとさじもオススメです。はちみつの主な成分であるブドウ糖と果糖は、分解を必要とせずそのまま吸収されるので、胃腸に負担を与えず、すぐエネルギー源になります。ブドウ糖は、病院で使われる点滴の主要成分です。果糖は、血糖値を急激に高めない役割を果たします。ハチミツはまさに合理的な栄養源なのです。他にも、有機酸・ミネラル類・ビタミン類・アミノ酸・酵素など多彩な栄養素を含んでいます。

朝食のパンにはちみつを塗って食べたり、ヨーグルトに混ぜて食べるのも良いでしょう。はちみつの栄養エネルギーは脳とからだにすばやく効き、朝から活発的に行動できます。

とくにオススメしたいのは、忙しくて朝食を取らない人です。朝ひとさじの「おはようはちみつ」なら、食べるのに数秒しかかからず、常温で長期間持つので保管も容易で、食べた後のゴミも出ません。
薬効を高める3条件も満たしているので、エネルギー補給と治癒効果の両方が期待できます。

先発には、生きた酵素がたっぷりの栄養爆弾「甘露蜜(ハニーデュー・ハニー)」や、色が濃くてミネラル豊富なはちみつが良いでしょう。

はらぺこはちみつ
お腹がすいたときのひとさじも、薬効を高める3条件を満たしています。ポイントは、はちみつを摂取した後しばらくは何も食べないこと。そして、はちみつが胃の中に行き渡るように、お腹を動かしましょう。ゴロゴロ転がっても良いですし、散歩や家事などで体を動かすのも良いと思います。

リリーフには、あっさりと上品な味わいのレンゲやアカシア、クローバー、百花蜜、みかんやリンゴなどのフルーツ系など、クセのない万能はちみつが使いやすいです。

はちみつ風邪薬
はちみつの代表的なレシピといえば、「はちみつレモン」と「はちみつ大根」。どちらも風邪の症状や予防に効果的です。
はちみつ大根は、つらい咳や喉の痛みを和らげてくれます。大根に含まれるイソチオシアネートの消炎作用と、はちみつの殺菌・抗炎症作用によるものと考えられますが、はちみつ大根は江戸時代から伝わる民間療法でもあります。
はちみつレモンは、風邪によく効くビタミンCとはちみつで作る「黄金の組み合わせレシピ」です。ビタミンCの抗酸化作用や血管内で作り出す過酸化水素は非常に強力で、はちみつの薬効と相まって免疫力増強や病気の予防に役立ちます。

風邪の8〜9割はウイルス菌が原因なので、はちみつの殺菌・抗菌作用が効果的なのも当然といえば当然です。シナノキ(菩提樹)はドイツやフランスで昔から風邪薬とされ、風邪気味のときのはちみつには特におすすめです。

はちみつ胃薬
ヒトの腸内には100兆個以上の細菌が存在しています。はちみつの殺菌・抗菌作用は、胃の中の悪玉菌を退治し、善玉菌を助けて腸内フローラのバランスを整えてくれます。特に殺菌力が強い特有成分を持つマヌカハニーやジャラハニー(ユーカリの一種)は、ピロリ菌退治にも一役買ってくれます。

国産では、胃炎・胃十二指腸潰瘍の改善に強い効果を示すのが、そばや栗のはちみつと言われています。いずれもミネラルたっぷりで黒い色をしたコクのある味わいは、マヌカやユーカリとも共通している点です。

便秘の改善や下痢の解消などにも効果的なはちみつの整腸作用を知っておけば、いざというときのかかりつけ医として安心ですね。

はちみつ歯磨き
口の中には細菌がいっぱいで、歯をよく磨く人で1〜2000億個、あまり歯を磨かない人では4〜6000億個、ほとんど磨かない人では1兆個もの細菌がすみ着いています。はちみつの殺菌・抗菌作用は、オーラルケアにも力を発揮します。

はちみつが口唇の亀裂・あれに効くことは、日本薬局方の効能・効果にしるされているとおりです。口内炎の予防や改善にも効果があり、つらい口内炎を抑えるためにマヌカハニーを利用している人もたくさんいます。マヌカの強い殺菌力を歯槽膿漏や虫歯・歯周病予防に役立てやすいように、「マヌカの歯磨き粉」が市販されています。

なお、はちみつの糖分であるブドウ糖や果糖は、ミュータンス菌の餌にならないので虫歯になりません。
普段使いの歯みがき剤として使うはちみつは、固まらずにさらりと使いやすいアカシアがおすすめです。ハッカ油やシナモンと一緒に使うとさらに効果が高まります。

はみちつ目薬
はちみつは昔から世界中いろいろなところで目の薬とされてきました。はちみつに抗菌・抗炎症・抗カビ作用があることと、はちみつが安全な自然成分であることが考えられますが、これは昔話で終わる話ではありません。今でも、眼精疲労や充血などの他、白内障の治療や予防にはちみつを使う国々や医療機関があるというのです。

はちみつを目薬として使うには、水で20〜50パーセントほどに薄めて点眼する方法と、そのまま使う方法があります。そのまま使う場合は、綿棒などで目の上に垂らしてから目をパチパチさせて目の中に入れます。はちみつの有効成分が目の粘膜を癒やし、水晶体に栄養分を与える効果もあるといいます。

はちみつ目薬が一般の目薬と違うのは、水分を補給するのではなく、自分の涙で目を潤すことです。つまり、涙をポロポロと流すくらい痛いということですが、そのしみ方が不思議なくらい気持ち良くてクセになる感覚だという人もいます。

目に入れるはちみつは、清潔を保つため食用のはちみつとは別にして、有効成分が光や熱で変化しないように、暗い戸棚の中にしまうか遮光ビンに入れておきましょう。とくに眼病の良いとされるハリナシミツバチのはちみつは、インターネットで購入することができます。

はちみつ軟膏
はちみつの抗炎症作用や活性ビタミンは、外用としても活躍します。口唇の亀裂・あれに対して、患部に直接塗ることで治癒効果があることは、日本薬局方の効能・効果にしるされているとおりです。
他にも、ニキビや吹き出物など、皮膚のできものを治癒する軟膏として、はちみつの効能が当てはまります。はちみつの殺菌作用が、ニキビの原因となるアクネ菌の増殖を抑えてくれます。

軽いやどけの手当てやちょっとした切り傷・膿などにも、はちみつがよく効きます。傷んだ肌や粘膜を修復する作用は、はちみつの薬効の中でも特に注目されていて、盛んに研究されています。
そのきっかけは、抗生物質が効かない感染症で手足を失いかけていた糖尿病患者に、はちみつを傷口に当てる治療を試したところ、治ってしまって切断を免れたという臨床記録が報告されたからです。

耐性菌による感染症は、抗菌薬(抗生剤)が効かないため治療が難しいのですが、はちみつの抗菌力が有効に作用する臨床記録が出てきたことで、医療現場の救世主としてスポットライトを浴びることになったのです。
抗生物質が効かなくなって困っている人は、ダメもとではちみつ(特にマヌカハニー)を試してみるのもひとつの手だと思います。

はちみつスキンケア
浸透性が高く、保湿力に優れているはちみつは、潤い効果が抜群です。まさに自然の保湿剤として、クレオパトラも美容のためにはちみつを愛用していました。

  • 石鹸や洗顔フォームにはちみつを入れて顔を洗うはちみつクレンジング
  • 顔全体にはちみつを塗るはちみつフェイシャルパック
  • メイクのノリを良くするには化粧水に混ぜて使うはちみつ化粧水
  • 吹き出物に直接塗って殺菌し、炎症を和らげるはちみつニキビケア
  • みずみずしい肌を保つはちみつボディーソープ
  • 傷んだ髪の修復ケアにはちみつコンディショナー
  • 入浴剤としてクレオパトラもつかっていたはちみつ風呂
  • ぷるんぷるんの唇にするはちみつリップクリーム
  • 日焼けや紫外線のケアには、はちみつレモン水
  • しもやけやひび、あかぎれにはちみつハンドクリーム
  • 全身の潤いにはちみつボディローション

いつも使っているスキンケア用品にはちみつを混ぜるだけで、はちみつの潤い効果を実感できます。

魔法の調味料 〜 はちみつ料理
はちみつは、食材に対しても働きかける作用があります。健康的な甘味料として、砂糖代わりにも使えます。

  1. 砂糖より低カロリーな甘味料 … 大さじ1杯の砂糖を小さじ1杯のはちみつに。同じ甘味でカロリーは60%ほどです。糖分はブドウ糖と果糖なので健康的です。
  2. 料理にツヤとコクを出す … はちみつの酸味や香りの風味は、料理にコクを出します。また、料理を色鮮やかにツヤよく仕上げて、食欲を引き立てます。
  3. 肉を柔らかくする … はちみつは肉の組織が縮むのを抑え、保水性を高めます。糖分が肉の表面を素早く焼き固めるので、肉汁も旨味もしっかり閉じ込めます。
  4. 魚の臭みを消す … はちみつの酸が、魚の臭いを不発揮性にします。照り焼きや煮魚にはちみつを加えれば、香りの良い料理が楽しめます。
  5. 香りつけの隠し味 … はちみつの豊かな香りはソースやドレッシングの隠し味になります。ほんのりした甘みと香りが口の中に広がります。
  6. 食品の保存性を高める防腐剤 … はちみつの抗菌力は防腐剤になります。すぐに食べ切らない食品や、お弁当・おせち料になどに重宝します。
  7. ごはんをふっくら炊きあげる … 酵素のはたらきででんぷん質が分解されてふっくらと美味しく仕上がります。(2合のお米にはちみつ小さじ1杯が目安)

はちみつの栄養と効能のことだけを考えるなら、加熱したり混ぜて薄めたりせず、そのまま食べるのが一番です。はちみつに含まれる酵素やビタミンなどの有効成分は、だいたい45℃くらいから変化し、65℃で壊れてしまうと言われています。とはいえ、酵素やビタミンが加熱によって壊されるのは、野菜など他の食材も同じです。
薬効の生はちみつとは別に、甘味料・調味料として使う料理はちみつにも、利用価値が十分あります。砂糖よりも体に良いし、栄養価も高く、料理を美味しくする作用があるのです。

具体的なレシピを知りたい方は、ネットで「はちみつ料理」を検索してみてください。クックパッドのレシピや、はちみつ料理研究家の方のレシピが見つかると思います。

書籍では、
薬いらずのはちみつ生活(青春文庫)
に、はちみつ料理のレシピがたくさん載っていておすすめです。

災害対策にはちみつ備蓄
はちみつは腐りません。はちみつ自体に高い殺菌力があるからです。結晶化しても、品質には問題ありません。気をつけることは、スプーン等から不純物がはちみつに付着することですが、付着していない箇所は大丈夫です。
はちみつは、常温での長期保存でも悪くなることはなく、いつまでもずっと食べられます。とはいえ、風味は落ちてしまいます。市販されているはちみつに賞味期限があるのは、風味を損ねずに美味しく食べられる期間として、養蜂家が独自に定める期限なのだとか。。。

はちみつの蓄えが家にあれば、すぐにそのまま食べられて、いつまでも日持ちがする、高栄養食品が備蓄されていることになります。はちみつの殺菌作用は、ウィルス対策や整腸剤、オーラルケア、スリ傷や皮膚の粘膜の修復、吹き出物や炎症を抑える軟膏としても利用できます。

これは、災害時や緊急時に、とても役に立つ備えとなります。震災はいつやってくるか分かりません。はちみつは、どうせ食べるものですし、いつまでも腐らないし、保存の手間もかからないのですから、忘れずにたくさん備蓄をしておきましょう。

おすすめはちみつ5選

はちみつの味や効能は種類によって色々なので、好みのはちみつをいくつか探してみましょう。個人的なおすすめをピックアップします。

マヌカハニー

マヌカヘルス マヌカハニー MGO400+ 250g

マヌカハニーのMGO値は、1kgあたりに何mg以上のメチルグリオキサールが含まれているかを示しています。100mg以上が含まれるMGO100+になると、抗菌作用による感染症の治癒、免疫力向上、整腸作用、ピロリ菌などに効果的とされています。マヌカハニーを選ぶなら、MGO100+以上がオススメです。

MGO250+ 充分な抗菌活性レベル
MGO400+ 医療用レベルのマヌカハニー
MGO550+ 医療用レベルで高濃度のマヌカハニー
MGO1100+ 最強で最高のストロングマヌカハニー(重度疾患の治療)

Amazonのベストセラー(はちみつ部門の売れ筋No.1)は、なんとMGO400+。奮発してマヌカハニーを選ぶのなら、医療レベルの薬効を期待するということですね。

百花蜜

百花蜜(かの蜂)
国産の純粋はちみつが1kgで二千円台と、普段使いにオススメのはちみつです。スキンケアなど美容にもはちみつを使いたい人には嬉しい量でしょう。百花蜜なので、毎回すこし違った味になります。100%天然で非加熱・完熟の国産純はちみつは、安心感がありますね。

菜の花はちみつ

クリーミーハニー 菜の花(ブライトザマー)
ブライトザマーは、ドイツ第2位、ヨーロッパ第3位のハチミツ会社。100%天然の「菜の花はちみつ」は、クリーミーで濃厚な味わいです。私がちょうど執筆時に食べているのも、この菜の花はちみつです。はちみつ好きにはたまらない濃厚なコクが美味しくてハマってしまい、たった10日間でこんなに食べてしまいました。
クリーミーハニー 菜の花(ブライトザマー)
子ども(4歳)も朝食のパンにたっぷり塗ってパクパク食べてしまうんです…。

アカシアはちみつ

秋田のはちみつ アカシア 1000g(小松養蜂場)
アカシアはちみつは固まりにくい(結晶化しずらい)ので、冬に食べるはちみつとして重宝します。そのまま食べてもよし、飲みものに入れてもよし、ヨーグルトに混ぜたりパンに塗ってもよし、料理に使ってもよし、歯みがきやスキンケアに使ってもよしで、使いやすいはちみつです。

私は国産はちみつは、北海道の養蜂家から購入しています。ネットでは買えない生産販売です。
国産はちみつ4種
左からアカシア、トチ、シロツメクサ、レンゲ/サクラ/カエデ です。

ユーカリはちみつ

ユーカリの有機ハチミツ(ミエリツィア)

ミエリツィア(Mielizia)はイタリアの高級ハチミツブランド。「ユーカリの有機ハチミツ」は、イタリア産でオーガニック100%・非加熱の生はちみつです。ユーカリはちみつは殺菌力・抗ウイルス・抗炎症作用が高く、喉のイガイガを和らげたり、胃腸の調子を整える薬効が期待されます。
マヌカハニーに比べて手頃な価格で、ソバや栗のはちみつよりも食べやすく、でも高いはちみつ効果を期待するという欲張りさんにオススメです。執筆時点で、私が次に食べる予定のはちみつが、「ユーカリの有機ハチミツ(ミエリツィア)」です。
ユーカリの有機ハチミツ(ミエリツィア)
ユーカリはちみつはミネラル含有量も多く、レンゲはちみつに比べて鉄分は約9倍、カリウムは約34倍、マグネシウムは約30倍とされています。

(番外)安いはちみつ

お風呂に入れたり、料理に使ったりするはちみつは、安価な蜂蜜で十分です。お手頃はちみつを紹介します。

純粋はちみつ(梅屋ハネー)
岐阜県のはちみつ専門会社 梅屋ハネーが販売している低価格の純粋はちみつです。最終加工地は日本で「はちみつ公取マーク」を取得していますが、原産国は中国です。ネットでは最安値のはちみつと思います。

クローバーはちみつ(カークランド)
カークランドはアメリカの会社で、このクローバーはちみつはグレードAの認定を受けている天然はちみつです。原産国はアルゼンチン。2.26kgというアメリカンサイズで、ネットでも買えますが、コストコで買うのが一番安いです。(為替の影響などを受けるので、時価で販売されています。)
クローバーはちみつ(カークランド)680g×3
そのまま食べても美味しいクローバーはちみつは、クマさん容器も人気です。

はちみつ健康法は、続けやすい!

はちみつ療法の嬉しいところは、なんといっても続けやすいこと! 寝る前にひとさじのはちみつを舐めるだけ。

しかも、美味しい!!

スプーンで幸せを感じながら、生活の中にこんな簡単に取り入れられる健康法は、他に無いでしょう?

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