日光に当たってできる乾物は、長く保存できるというだけでなく、生のものに比べて圧倒的に栄養価が高いのも魅力です。しかも、食物繊維が豊富で低カロリーという、現代人に最も必要でありながら不足している要素がたくさん含まれています。
干ししいたけ
体の成長や脂肪の燃焼に作用するビタミンB2が多く、戻す前に日に当てるとビタミンDが激増するという特徴があります。
また、干すことによって一気に増加したグルタミン酸などのうまみ成分と、レンチオニンなどの香り成分が食欲を刺激し、いろいろな栄養素を含む他の食材をしっかり食べる呼び水にもなります。
高野豆腐
「スポンジみたい」などといわれて不人気ですが、水分を徹底的に抜いてあるだけに栄養素がギュッと凝縮され、保存性も高い優秀食材です。同じ重さなら、木綿豆腐に比べてカルシウムは5倍以上、鉄も6倍以上含んでいます。
タンパク質も豊富で、栄養素が凝縮されている分、少しずつ食べてもそれなりの栄養素が摂れるため、ぜひ常備しておきたい一品です。
切り干し大根
「腸の掃除役」といわれる豊富な食物繊維が腸内環境を整え、便秘予防に役立つほか、ナトリウムの排出を促すカリウムも非常に多く、高血圧予防にもつながるため、塩分過多が心配される昨今こそ注目したい食材です。
また、カルシウムや鉄などのミネラルも含んでおり、乾燥させることで生まれる特有の甘みも魅力です。
ひじき
貧血予防の救世主といわれるほど鉄が豊富なうえ、骨の強化にも役立つ食材です。
また、カルシウムとマグネシウムが約2:1となる割合で含まれるとともに、ビタミンKも含まれているので、吸収率が低いカルシウムを効率よく骨に取り込むための条件がうまく揃っていることになります。
さらに、免疫力アップに働くβカロテンも多く、他のミネラルもそこそこ含まれているので、非常に栄養密度の高い食材といえます。
きくらげ
黒きくらげはその色からもわかるように、白きくらげに比べて鉄が多いのが特徴です。
乾物のなかでは、干すことによるビタミンDの増加量が多く、炒め物など油との相性がいいので、脂溶性ビタミンであるビタミンDをしっかり吸収でき、カルシウムの吸収アップにもなります。
また、低カロリーで食物繊維が豊富なため、薬膳の食材やダイエット食品としても人気があります。コリコリとした食感も食欲増進に役立ちます。
戻しは意外と面倒くさくない
乾物と聞くと「戻すのに時間がかかって面倒」というイメージがあると思いますが、たとえば、切り干し大根は水に5分ほど浸けて水気を切るだけと、意外に簡単で時間もかかりません。煮物のときは鍋に入れて戻し、そのまま煮てしまえばOKです。
また、好みによって戻し時間を長くしたり短くしたりという調節も可能ですし、煮物の場合も、従来の甘辛く重いものよりもっと軽い味わいに仕上げたいときは、だし汁を使わずにそのまま水煮することも可能です。
ぜひ常備しておこう!
長く保存できて、季節を問わずさまざまな料理に使えるだけでなく、栄養も豊富な乾物。利用しない手はないと思いませんか?