イベリコ豚は、イベリア半島に古くから生息していた野生の黒豚が起源とされ、スペイン独特のイベリア種の黒豚のことをいいます。その特徴の一つとして、かなり高い割合で黒い脚と爪を持っています。
イベリコ豚のランク
厳しく定められた基準により、次のようにランク付けがされています。
- ベジョータ…放牧により飼育し、肉質・体重等の基準をクリアしたもの
- レセボ…ベジョータの基準に達せず、後、試料を与えたもの
- セボ、ピエンソ…穀物飼料で飼育されたもの
また、イベリコ豚としての血統も重要で、生肉であれば50%以上、生ハムであれば75%以上の純血度でなければならないという規定もあります。
どんな製品がある?
現在、生肉各部位(生・冷凍)、加工品(生ハム・チョリソーなど)が日本に入ってきています。
認可を受けたものしか「イベリコ」を名乗れず、加工品でも上記のランク付けがされているので、ラベル等で判断できます。
イベリコ豚の特徴と成分
白豚と違って赤身で肉質がよく、部位によってはその赤身の中に細かい脂肪(サシ)が入っています。そして、ドングリを食べることにより、脂身には不飽和脂肪酸のオレイン酸が多く含まれることがわかっています。オレイン酸は高血圧や心疾患などの生活習慣病を予防します。脂肪の融解温度は低く、サラリとしていてほのかに甘味を感じることができます。
そのほか、ビタミンB群・E、抗酸化物質などを含み、動脈硬化防止や老化防止などの効果もあるとされています。
加熱のしすぎはもったいない!?
他の豚と同じようにさまざまな料理に使えますが、脂が身にも浸透していることを考えると、長時間の加熱はせっかくの脂を台無しにしてしまいかねないので、避けたほうがよさそうです。
生ハムの場合は、冷やしたものより、少し常温に戻して脂がトロッとした感じの状態にするとおいしくいただけます。