食の知識&健康

キノコの不思議 〜 キノコを知ってキノコ嫌いを克服しよう!

所変わればのキノコたち

キノコ女子たちがちっちゃくて可愛いと思っているキノコが実は世界一大きな生物だなんてビックリですが、その世界最大の生物と言われるオニナラタケは、「Armillaria」という英語の学名は持っているものの、一般名は“honey mushroom”! なんと、マッシュルームの一種だと言うのですから、さらに目が点でしょう。それどころか、アメリカでは、シメジもマッシュルーム、エノキもマッシュルーム、マツタケもマッシュルームなのです。

欧米のキノコたち

最初に、キノコは『菌茸類』であるという事が明らかになりましたが、実はこの分類は、野菜や果物を取り扱う日本の青果業界のオヤジたちが勝手に命名したもので、アメリカには『キノコ』という生物区分すら存在しません。ならば、英語圏ではキノコはなんと呼ばれているかと言うと、ズバリ“mushroom(マッシュルーム)”です。

おいおい、ちょっと待て、キノコがmushroomなら、マッシュルームはどうなるんだ?と思われるかも知れませんが、もちろんマッシュルームはmushroomです。何だか話がややこしい事になりそうですが、何のことない、昔のアメリカには、特定のキノコしか食べる習慣がなかったから、キノコ類の総称を示す単語もないというだけの話。ようするに、キノコ=mushroomだったのです。

そこで、mushroomという単語は、日本語の「茸(タケ)」という意味も持っています。それどころか、キノコ雲までアメリカではmushroomなのですから、実に分かりやすい。そして、日本人には便利。
マツタケはmatsutake mushroom
エノキはenoki mushroom
マイタケはmaitake mushroom
という風に、日本料理や中華料理で普及した多くのキノコは、日本語の語尾にmushroomと付ければ十分通じるのです。

さらに、シイタケにいたっては、“shiitake”以外に呼び名がありません。実際、高機能変換ソフトと言われるATOK搭載の私のPCでは、シイタケと入力して英語変換を押すと、”shiitake”と一発で出て来ます。ただし、シメジのみは塊として認識されているらしく、“shimeji mushrooms”と、複数形になるので要注意だと言えるでしょう。

また、比較的古くから食べられていた欧州原産のキノコについても、トリフは“truffle”、ポルチーニは“porcini”と、英語表記を完備していますが、歴史の浅いエリンギについては、やっぱりそのルックスから、“king trumpet mushroom(キングトランペット・マッシュルーム)”や“French horn mushroom(フレンチホルン・マッシュルーム)”という呼び方をしているのです。

しかし、流石、美食の国と言われるフランスは違います。日本と同様、キノコ類の総称となる呼称がちゃんと存在します。フランス語できのこは“champignon(シャンピニヨン)”。ただし、フランスには、「クロラッパタケ(Trompette de la mort)」や「セップタケ(Cepe)」、ムスロンタケ(Mousseron)」など、日本ではなじみのない美味しいキノコが沢山存在するため、それらが食卓の主役となり、地中海が原産のエリンギには“Pleurote”という呼称がありますが、アジア圏で親しまれているキノコは意外とアメリカ風だったりするのです。なんと、シイタケはフランスでもやっぱり”shiitake”で、その他、マツタケは“les matsutake se multiplient”、シメジは”les shimeji se multiplient”などと呼ばれています。また、マッシュルームを”mushroom”と呼ぶのは英語圏だけ。フランス語圏では“Champignon de paris”です。

中国のキノコたち

元々欧米と日本とでは、身近な食用キノコの種類が違ったのですから、それがそっくりそのまま言語に反映されているのかも知れません。その証拠に、日本でもなじみ深いキノコを沢山食べて来た中国には、多くのキノコ類の中国名が存在します。まず、中国語でキノコは“蘑菇(モグ)”と言い、みんなモグモグ食べていたところから命名されたというくらい、中国の人々もまた、キノコ大好き民族だったのです。

特に、丸い卵形の袋の中に傘を閉じた状態で入っている「フクロタケ」は、マッシュルーム→シイタケに次ぐ世界第3位の消費量を誇るキノコですが、その大半が中国南部と東南アジアで栽培され、中華料理やタイ料理で使用されています。そう、中華スープやトムヤムクンに必ずと言っていいほど入っている独特のルックスと食感を誇るキノコです。

その他、キクラゲやマツタケ、シイタケやシメジなど、中華料理では多くのキノコがもてはやされています。そのため、
キクラゲは“木耳(ムーアール)”
マツタケは“松茸(ソンロン)”
シイタケは“冬菇(ドングゥ)”
シメジは“口蘑(コウモー)”
エノキは“金針菇(ジンジェングー)”
マイタケは“舞茸(ウーロン)”
ヒラタケは“平茸(ピングゥ)”
ナメコは“滑菇(フアグー)”
トリュフは“松露(ソンルゥ)”
と、立派な中国名を持っています。そして、フクロタケは草菇(ツァオグゥ)”です。

という事で、キノコ類の中国語は、それぞれのキノコの特徴をよく捉えていると言えるでしょう。キクラゲを木耳と書くのは、その形が耳に似ているから。ヒラタケを平茸と書くのは、傘が平べったいキノコだから。マツタケを松茸と書くのは、赤松の林に生えるキノコだからだと思われます。そして、これらは日本語でも同じ漢字表記をする訳です。となると、日本人が考えたのか? 中国人が考えたのか? 気になるところですが、やはり中国人のアイデアだと見るのが無難なようです。

キノコの漢字表記は日本が先か? 中国が先か?

確かに日本におけるキノコの食用の歴史は古く、奈良時代に入ると、天皇家にも献上されていた事が日本書紀に記されています。さらに、万葉集にも登場するキノコは、平安時代にはすっかり秋の味覚となり、キノコ狩りをしながら一首一句というのが貴族たちの娯楽の一つでした。平安時代初期に編成された古今和歌集(こきんわかしゅう)には、そうした歌がいくつも掲載されています。

しかし、中国ではキノコを紀元前から食用としてだけでなく、薬用としても活用していました。4000年の歴史を誇る漢方においては、茯苓(ブクリョウ)や霊芝(れいし)といったサルノコシカケ科をはじめ、アガリクスやアギダケ・メシマコブなど、多くのキノコ類が生薬として用いられているのです。そうなると、どうしても大半のキノコの表記は中国で考えられ、それを日本語読みにしたと見る方が素直でしょう。

ただし、日本人もそれなりに知恵を絞り、さらに分かりやすい名前や表記を編み出しました。例えば、榎のフルネームはエノキタケで、漢字で書くと“榎茸”となる訳ですが、これは榎(えのき)という落葉樹の倒木や切り株を好んで生えるキノコだからです。また、シメジタケは湿地帯に占拠するほど沢山生えるキノコというところから、“占地茸”、もしくは“湿地茸”と書き、山毛欅(ブナ)の倒木に生えるシメジを“山毛欅占地(ブナシメジ)”と呼んでいるという訳です。

さらに、マイタケにおいては、このキノコを食したものが嬉しくなって舞い出したというエピソードが、平安時代末期に成立した説話集「今昔物語(こんじゃくものがたり)」の中に掲載されていて、そこから“舞茸(マイタケ”と命名されたという説が残されています。なので、もしこれが本当だとすれば、中国語の“舞茸(ウーロン)”は逆輸入で定着した呼称という事になるでしょう。その一方で、ナメコは日本に来て“滑子”と、一層小粒でつややかな外観に相応しい表記に変換されています。

とは言え、日本では端から漢字変換を諦めている欧米原産のキノコたちにも漢字を当てはめているのが中国人のすごいところ。まあもっとも、日本人のようにカタカナで間に合わすという柔軟性を持てない彼らにとっては、意地でも独自の名前を付け、表記を作らなければならなかったのでしょう。エリンギは“杏鮑菇(シンバオグー)”、マッシュルームは“蘑菇(モーグゥ)”という中国名を持っています。

ですが、トリュフについては、中国にも大昔から自制していて、松の根から多く採取出来るところから、“松露(ソンルゥ)”と命名されています。黒トリュフは“黒松露(ヘェイソンルゥ)”、白トリュフは“白松露(バイソンルゥ)”と呼ばれていますが、基本的に中国産のトリフはフランスと同じ松露が主流なのだそうです。そして、日本語でも、トリフの正式名称は“西洋松露(セイヨウショウロ)”と言います。という事で、こうした事を考えると、やはり多くのキノコの漢字表記は中国で考えられたと見るべきなのではないでしょうか?

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